インタビュー

花形一実さん

1959年生まれ。日本大学理工学部電気工学科卒業後、1982年テレビ静岡に入社、アナウンサーとして3年勤めたあと、フリーランスに。、フリーアナウンサーとして活躍しながら、生活の中で感じた問題や「育児と仕事」に興味を持ち、番組や本の企画・取材を続け、「実践話し方講座」などの各種セミナーも行う。また妊娠を機に、自らの経験を生かしたいと本作りに取り組み、共著で「東京ワーキングマザーお助けガイド」「千葉保育サービスガイド」「東京保育園ガイド」を出版。9月には最新刊「東京幼稚園ガイド」を出版し、話題となっている。一児(8歳の男の子)の母。

著書:(写真左から)
東京ワーキングマザーお助けガイド
千葉保育サービスガイド
東京保育園ガイド
東京幼稚園ガイド 」(最新刊)

※上記プロフィールは取材当時のものです。

Interview vol.05 花形一実さん

テレビ静岡アナウンサー

本づくりは「霧の中のエベレスト登山」。でもそこから新しいコミュニケーションが生まれる。

Q1.本作りを始めたきっかけは?

子供をもって女性が仕事をするのは、本当に大変ですよね。約8年前、NHKラジオのリポーターを妊娠9ヶ月までやっていたんですが、その時同じフロアに3人の妊婦がいたんです。取材に編集にとそれぞれあわただしい日々の中でバッタリ会うと、マタニティスイミングや生まれてからの保育園のことなど、井戸端会議じゃないけどお互い知らないことを聞きあって、情報を寄せ集めていた。それが一冊の本になれば・・・と思ったんです。当時はちょうど手助けになるような本がなくて困っていたので、自分で作ってしまった(笑)。自分の子育てとともに歩んできた本づくり。だからこの本たちは「私自身」なんです。

人間ひとりでは生きていけないじゃないですか。何かしら関わりがあり、それをコミュニケーションと言うけれど、奥が深いですよね。自分が興味をもった事について取材して、その中でいろんな人たちに出会い、できあがった本が誰かの役に立って、見えないつながりが生まれて・・・。これにはアナウンサーをやっていた経験が生きていると思います。今までになかったものを作ることで、新しいコミュニケーションが生まれました。子育て中は孤独を感じることが多いけれど、本づくりで生まれたコミュニケーションが励みになって、自分自身も本当に助けられています。

Q2.現在の仕事のやり甲斐は何でしょう?

本作りは細かい作業の積み重ね。作業の量も膨大だし時間もかかるけど、子供が寝ている間とか小さな時間を見つけて少しずつやっています。 本当に「霧の中のエベレスト登山」のようなもの(笑)。一冊目を出した時点では「もうできないわ・・・」と思ったけど、9月に4冊目が出ました。気がつくとやってるんです(笑)。子供ができて自分の幅と深みが広がりましたね。自分が抱えられるものが増えた。だからこんな大変な作業ができるんだと思います。3冊目くらいから子供が本づくりについて理解してくれるようになって、小学2年生になった今では本屋さんで平積みしているのを私より先に見つけて「お母さん、あったよー!」と喜んでくれるようになりました。子供ができて手探りで取り組み始めた本作り。一生懸命やってきたことを少しでも共有できたようで、うれしかったですね。声に出す言葉ではなく、本づくりにも”伝え合い感じ合える”素晴らしさがある・・・と今改めて思います。

Q3.元局アナnetについて・・・

おもしろいですね。今までになかったコミュニケーションの場を作ってくれたわけだから。このサイトでいろんなことを感じて、励みにしたり、新しいことを実現するきっかけにしたりする人がたくさん出てきたら、うれしいですね。私も期待しています。

(2004/10/08 渋谷にて)

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