1940年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、1963年フジテレビに入社。「小川宏ショー」の司会兼リポーター、「スーパータイム」「報道2001」のキャスターなど、数多くの番組で活躍後、2000年12月に定年退職。その後もフジテレビ特別アドバイザーを務め、2004年4月からフリーに。報道からバラエティーまで、今も幅広いジャンルの番組で魅力と個性を発揮している。現在、東京国際大学国際関係学部教授、早稲田大学客員教授も務める。趣味はハワイアンバンド、六本木男声合唱団での活動。
※上記プロフィールは取材当時のものです。
元フジテレビアナウンサー
定年まで現役のアナウンサーとして活躍し続けた露木さん。局の顔という立場から解放されて、生活が一変したのでは?
局アナとして約39年、定年まで勤めあげたのは「たまたま」だと思います。会社員が僕の性格に合っていたんでしょうね。でもフリーになって、局の看板を背負っていた重圧感から解放されて、気持ちが楽になりました。今は自分の考えがよりストレートに出せるようになった。局アナ時代は、フリーになった友人たちを見て「大変だなあ」と思っていたけど、自分がフリーになってみて、こんなに自分の思ったことができるんだったら、もっと早くフリーになればよかったなんて思う(笑)。大学教授として若い人に教えることや、趣味のハワイアンバンド、合唱団での活動など、仕事も含めて楽しいことがまわりに沢山あるというのは実にハッピー。サラリーマンをやっているとなかなかできないことが、思いっきりできているという感じで、今は本当に生活を楽しんでいます。
仕事でこれからやってみたいのは、大人に見てもらえるような番組。「おもしろければいい」という今のテレビの傾向も、曲がり角に差し掛かっているのではないか。若者のウケを狙うのではなく、マジメな姿勢で取り組んでいる番組がもう少しあってもいいんじゃないかなと、局を離れてみて、今感じているところです。
局アナとして何かを成し遂げた、という自信がある人はフリーになってもしっかり仕事ができていると思います。局アナとしてここまでやった!という達成感や実績をもってフリーになるのが成功への道。そして多くの人たちが憧れる放送局での仕事ができる喜び、初心を忘れないことが大切ではないかと思います。
(2004/07/14 赤坂にて)